「食洗器は電気代が高そう」「水道代もかかるのでは?」――そんな不安から、あえて導入を避けていたり、10年前・20年前の古い食洗器をそのまま使い続けているご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし実は、最新の食洗器は手洗いよりも電気代・水道代が安くなるケースもあるのをご存じですか?使い方や機種によって、年間で数千円以上の節約につながることもあります。
本記事では、食洗器の電気代・水道代の目安を手洗いと比較しながら、古いモデルと最新型の違いをわかりやすく解説。10年前・20年前の食洗器を使い続けることで損している可能性についても数字でご紹介します。
さらに、すぐ実践できる節電・節水のコツや、よくある質問(Q&A)も掲載。光熱費を抑えつつ、毎日の家事をもっとラクにしたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
家庭内のエネルギー消費に占める食洗器の割合
食洗器は便利な反面、「本当に必要なの?」と思われることもあります。特に電気代や水道代が気になる家庭では、どれだけのエネルギーを使っているのかは見逃せないポイントです。
実際のところ、家庭全体のエネルギー消費に占める食洗器の割合は、そこまで大きくありません。資源エネルギー庁の調査によれば、冷蔵庫や照明、エアコンに比べると食洗器の使用電力量はわずかです。
ただし、1日に複数回使ったり、高温乾燥機能を毎回使用している場合は、電気代も積み重なっていきます。また、古いモデルの食洗器では電力効率が低いため、同じ使用頻度でも電気代がかさむ可能性があります。
水道代についても、食洗器は高圧の噴射水で少量の水を循環して使う仕組みのため、手洗いよりも水使用量が少なく済む設計になっています。家庭内の水道使用量の中で見れば、ごく一部にとどまるといえるでしょう。
食洗器のランニングコストの目安
食洗器は電気と水を使う家電ですが、実際のランニングコストはどの程度なのでしょうか。ここでは、電気代・水道代・手洗いとの比較を交えて解説します。
電気代の目安
家庭用の卓上型食洗器の場合、1回の運転でかかる電気代は約5〜10円ほど。これは標準洗浄+乾燥を含んだ場合の目安です。乾燥機能をオフにすればさらに電気代は下がります。
たとえば、1日1回使った場合でも月額で150〜300円程度、年間でも約2,000〜4,000円前後に収まることが多く、電気代全体の中では比較的小さな負担です。
水道代の目安
最新の食洗器は約9〜12リットル程度の水で1回の洗浄を完了させることができます。これは手洗いと比べるとかなり少ない水量で、節水にもつながります。
水道代は地域によって異なりますが、1回あたりの水道代は約2〜5円程度と見積もられます。
手洗いとの比較
一般的な手洗いでは1回あたり40〜60リットルの水を使用するといわれています。つまり、食洗器は手洗いの4分の1〜6分の1の水で済むことになります。
また、給湯器を使ってお湯で洗う場合、ガスや電気代も加わるため、実は手洗いのほうが高くつく場合もあるのです。
古い食洗器と新しいモデルのコスト比較
食洗器は家電の中でも進化のスピードが早い製品です。10年、20年前のモデルと最新機種では、電気代・水道代に大きな差があります。
電気代の違い
過去のモデルでは、洗浄と乾燥に大量の電力を消費するものが多く、1回あたりの電気代が15〜20円以上かかることも珍しくありませんでした。
一方、最近の省エネモデルでは、1回あたり5〜10円程度まで抑えられており、年間にすると数千円の差になります。
水道代の違い
10年以上前の食洗器では、1回あたり20〜25リットル程度の水を使用するモデルも多く、水道代も割高でした。
現在では、10リットル以下で洗浄できるモデルも増えており、節水性能が格段に向上しています。
古い食洗器と新しいモデルのコスト比較
「まだ使えるから」と10年、20年前の食洗器を使い続けている家庭も少なくありません。しかし、実はその古い食洗器こそが、光熱費を押し上げている原因になっていることがあります。
電気代の違い
旧型の食洗器は、洗浄時に大量のお湯を使い、乾燥には高温ヒーターを長時間稼働させるため、1回の運転でかなりの電気を消費します。具体的には、10年以上前のモデルでは1回あたり15〜20円、20年前のものでは25円近くかかるケースもあります。
これに対して、最新型の食洗器は高効率ヒーターや熱交換システムを搭載し、1回あたりの電気代は5〜10円程度。単純に10円差があるとして、1日1回使う家庭なら年間で3,650円の節約になります。これが5年続けば、約18,000円の差です。
水道代の違い
かつての食洗器は、洗浄力を確保するために20L前後の水を使用していました。現在のモデルは高圧ノズルの改良や循環システムの進化により、約9〜12Lの水で済むようになっています。
水道料金の目安で換算すると、古い食洗器では1回あたり6〜9円程度、新型では2〜4円程度。毎日使えば、1年で1,500〜2,000円の差になります。
最新型 vs 10年前 vs 20年前の目安比較
モデル | 電気代(1回あたり) | 水使用量 | 水道代(1回あたり) |
---|---|---|---|
最新型(省エネ) | 約5〜10円 | 約9〜12L | 約2〜4円 |
10年前のモデル | 約12〜18円 | 約15〜20L | 約4〜7円 |
20年前のモデル | 約15〜25円 | 約20〜25L | 約6〜9円 |
一見すると小さな違いに思えるかもしれませんが、毎日使う家電だからこそ、年間で数千円〜1万円単位の差になって現れます。「まだ壊れていない」からと使い続けるのではなく、ランニングコストという視点で買い替えを検討する価値は大いにあるのです。
省エネ・節水機能の進化
食洗器はこの10〜20年で、驚くほどの進化を遂げています。特に電気と水の使用量を大きく減らす機能が搭載されたことにより、「節約家電」としての価値が高まっています。
省エネ性能の進化
かつての食洗器では、高温ヒーターによる乾燥や長時間の加熱洗浄が主流でした。しかし、最近では以下のような省エネ機能が標準搭載されています。
- エコモード(節電モード):低温・短時間で洗浄し、電力を抑える
- 送風乾燥:ヒーターを使わず送風だけで乾燥させ、消費電力を大幅カット
- ヒートポンプ式加熱:効率的にお湯を作り、電力を抑える
- 残熱乾燥:洗浄時の熱を利用して自然乾燥させる機種も
これらの工夫により、電気代は10年前の半分以下というケースも珍しくありません。
節水技術の進化
従来の食洗器では、水を一度使い切ってから新しい水を注いで洗うという方式でしたが、今では循環式の洗浄システムが一般的になっています。
さらに、以下のような技術革新が進んでいます。
- 高圧ノズル:水の勢いを強めて、少ない水量でも高い洗浄力を実現
- センサー制御:汚れの程度を自動検知し、水量や洗浄時間を調整
- 分岐水流:洗浄が必要な場所だけに水を集中させて効率化
これにより、1回あたりの使用水量は10L未満にまで抑えられる機種も登場しており、手洗いより圧倒的に節水できる時代になりました。
このように、最新の食洗器は「洗浄力はそのままに、光熱費は半分以下」に抑えられるほど、省エネ・節水の両立が実現されています。
何年で元が取れるか?シミュレーション
食洗器の買い替えには初期費用がかかりますが、ランニングコストの差を考慮すると、長期的には節約につながる可能性が高いです。ここでは具体的なシミュレーションを行ってみましょう。
前提条件
- 旧型食洗器:1回あたりの光熱費=約28円(電気20円+水道8円)
- 新型食洗器:1回あたりの光熱費=約10円(電気7円+水道3円)
- 使用頻度:1日1回使用
- 年間使用回数:365回
- 新型食洗器の購入費用:50,000円
年間の差額
- 旧型:28円 × 365日 = 10,220円
- 新型:10円 × 365日 = 3,650円
- 差額:約6,570円の節約
元を取るまでの年数
購入費用が50,000円の場合、光熱費の差額で元を取るには以下の計算となります。
50,000円 ÷ 6,570円 ≒ 約7.6年
節約だけじゃない。生活の質もアップ
買い替えのメリットは、費用の回収だけにとどまりません。最新の食洗器は、静音性の向上、洗浄力アップ、大容量化、操作性の改善など、日々の使い心地も大きく進化しています。
たとえば、運転音が静かになれば夜間にも気兼ねなく使えますし、大容量のモデルであれば食器をまとめて洗えるので、家事の時短やストレス軽減にもつながります。
つまり、買い替えは単なる節約ではなく、家事の効率化と生活の快適さを同時に手に入れる選択でもあるのです。
食洗器で節電・節水するための5つの使い方
最新の食洗器には省エネ・節水機能が備わっているとはいえ、使い方次第ではムダが発生することもあります。ここでは、日々の運転で光熱費を節約するための基本的なポイントを5つご紹介します。
1. まとめ洗いをする
食器が少ない状態で毎回使うのは非効率。なるべく食器をまとめてから運転することで、水も電気も一度で済み、光熱費を抑えられます。
2. エコモードで運転する
多くの機種に搭載されている「エコモード」や「節電コース」を活用することで、多少時間はかかりますが、電力使用量は大きく削減できます。
3. ヒーター乾燥をオフにする
高温ヒーターによる乾燥は電気代がかさみがちです。自然乾燥や送風乾燥を選ぶだけでも、大きな節電につながります。
4. 詰め方を工夫する
水流がしっかり当たるように食器を配置すれば、洗い残しが減り、再洗いの手間とコストも省けます。メーカー推奨の並べ方を参考にしましょう。
5. 定期的にフィルターを掃除する
フィルターが詰まっていると水流が弱まり、洗浄効率が落ちます。週に1回程度のフィルター清掃を習慣にするだけでも、節水・節電の効果があります。
よくある質問
Q. 食洗器の電気代は高いですか?
最新の食洗器なら1回あたり5〜10円程度。エコモードや乾燥機能オフを使えば、さらにコストを抑えられます。
Q. 食洗器は手洗いより水を使いますか?
むしろ逆で、手洗いの4分の1〜6分の1程度の水で済むのが一般的です。節水目的で導入する家庭も少なくありません。
Q. 古い食洗器を使い続けると損ですか?
はい。旧型は光熱費がかさみがちです。最新機種に買い替えれば年間6,000〜7,000円前後の節約につながることもあります。
ライフスタイルが変わったら食洗器の買い替えを検討しよう
食洗器は長く使える家電ですが、家族構成や生活スタイルの変化に応じて、買い替えを検討するのも大切です。 一人暮らしから二人暮らしへ、共働きで家事の時短を求めるようになった、子どもが増えて洗い物が急増した…。 そんなタイミングこそ、今の暮らしに合った食洗器への切り替えで、毎日の家事がもっとラクに、効率的になります。
もし古い食洗器を手放すなら、リサイクルショップや買取業者の活用も選択肢のひとつです。 まだ動く状態であれば、買取してもらえる可能性もあり、新しい省エネモデルの購入資金に充てることもできます。 また、状態の良い中古品や新古品を選べば、コストを抑えつつ節電・節水効果の高い機種を導入することも可能です。
たとえば、短期間の単身赴任や事務所での利用など、使用期間や用途が限られている場合は、 無理に新品を購入せず、中古の食洗器をうまく活用するのもおすすめです。 サイズ・設置場所・必要な機能を見直し、今の生活にぴったりの一台を選びましょう。